jfcgym’s blog

山と格闘技と私

今一度。

那須川天心vs武尊の試合を今一度と言うか何度も見ると、改めて思うのが1Rのダウンシーン。

天心が武尊の顔の横(外側)にジャブを打ってわざと避けさせた上での左の打ち下ろしストレート(オーバーフック?)のカウンターに見えた。

それに武尊が左フックを合わしにいったから結果的に、余計にドカウンター となった訳やが、 その左フックも武尊の癖と言うか右ストレートから左フックのコンビを想定した上でのカウンターに見え、 打ち終わりに天心の頭の位置がやたらと右下にある事からも左フックまでを出させるカウンターかなと。

そのダウンの前に1度餌としてジャブを打っている。

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よくよく見返すと3Rの終盤でも1Rのムーヴと同じく、 ジャブを顔の横に打ってストレートを打っていたのでこの流れは反復練習していたんじゃないか?と思わせる。f:id:jfcgym:20220620182357j:image

この時は天心の右ジャブに武尊が右ストレートを合わし、天心の左ストレートが入る。(ここまでは1Rと同じ)

一連の中では1Rの様に右ストレート→左フックを武尊はまた打とうとしていたが左フックはやめた。

また左フックを1連の流れ、コンビネーションとして打っていたらダウンしていたかもしれない。

動物的本能か危険察知能力が作動しまくったのか、兎にも角にも武尊は左フックを打つのをやめた。

これが私的には何度も繰り返し確認した時に身震いものだった。

同じ轍を踏まないと言うか、試合中に成長したとでも言うのだろうか?

それともやはり最後まで勝つ執念、諦めない気持ちがそうさせたのか。

そしてこの顔に打たないで横に打つ利点としては正面から見れば解り易く、f:id:jfcgym:20220620182904j:image

自分のアゴを守れる事。

かなり利にかなったジャブだ。

ただこの打ち方は堀口恭司がカーフキックを打って流行った様にはいかんやろなぁ、と 笑。

カーフキックは結構外から、相手の攻撃範囲外から打てるが、このジャブは次のストレートやオーバーフックを当てる為の布石であるから相手の攻撃範囲内、デンジャラスゾーンに入らなければならない。

かなり根性(勇気)いるやろなぁ、と 笑。

でもそこはやはりオーソドックスvsサウスポーだからかもしれないし、天心の場合は武尊の外を取って(足の位置)、尚且つ本チャンの左を打つ時には右斜め下に顔を置くから安全圏内となる。

メチャンコ素晴らしい技術です。

あともうワンムーブ面白かったのが、2Rの2分ちょい当たりで天心は上段の前蹴りを打ち(そしてかかと落とし並に振り下ろし)、その後に胴廻し回転蹴りをやったのだが、この前蹴りは心理的作用を利用して武尊に前蹴りを打たしての胴廻しカウンターなんじゃないか?となった。

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結果的には武尊は前蹴りではなく、少し突っ込み気味の膝蹴りを打ち顔の位置が前に来た為インパクトの位置とズレた

例えばキックボクシングでよくあるのがバックスピンキックを打ったら相手もまたバックスピンキックを打つ状況が結構ある。

「俺も出来るぞ」ではないが、これはスパーでもあるがやりたくなるんですよね 笑。

その後ニヤッとしたりで。(気持ち悪い話ですが)

要はその心理的作用を利用したカウンターなんじゃないか?と思った訳です。

ハイキックを打たれたらハイキックを返したくなるように。(そのカウンターもあります)

これが胴廻しではなく、バックステップをして左ハイなら確実にダウンしていたと思えてならない。

武尊は膝蹴りで両手バッコーン下がってましたので。

この試合で特に気になった動きの分解でした。

この試合の決め手となったのは天心の上も中も下もの豊富な攻撃が1番良かったんじゃないかなぁ。

勿論元々そのスタイルではあるが、散らしまくってドンッ的な、これは相手からすればどこから飛んでくるか解らんのでたまったもんやないですからね 笑。

だから自分の攻撃が出しづらくなる。

それからガチャガチャに対する基本のジャブで静止、阻止。

そのジャブもまともに打ったり明後日の方向に打ったり、カウンターとして入れたり。

しかも足を使っているので武尊としては距離が縮まらない、詰められない。

こうなればギアが上がったガチャガチャタイプもその都度リセットされるので勢いが落ちてしまう。

天心は中に入るのも上手いからクリンチも出来る。(あのクリンチも技術アンド勇気がいります)

3Rでいよいよエンジン掛かったと思ったら、それでも距離が合わない。

何と言うかほぼ天心の試合、完封でしたね。

「5Rあれば」、「5R見たかった」って意見(最早クレーム) をめちゃくちゃ見るが、
ぶっちゃけた話何Rあっても結果は変わらんと思うなぁ。
悲壮感が増すだけで。
ってか5Rやったら5Rで那須川陣営はその対策練ってきよるやろ 笑。
ルール、 契約体重然り武尊が惨めになるだけやから水指すなよって話です。

そんで、PPV購入件数50万件以上だったとの事で。(石井館長のツイート通りでした)

ほんまに凄いなぁ。

RIZINでもそんな事無いやろうに。

やっぱしこの6~7年か、その間に武尊のファンと天心のファンが罵倒を繰り返しイライラも募り、何クソ精神が育ち、格闘家もどっちが強い、どっちが勝つ?となっては答え合わせ出来ないまま時が過ぎる。

そんな様々なストーリーが爆発した上での答え合わせですから。

そりゃ売れるよなぁ。

ボクシングの村田諒太井上尚弥が地上波から撤退し、そして武尊天心でおそらくそのPPV件数を超えた。(ボクシングの方は公表されてませんのでおそらくです)

ストーリー性が尋常やないもんね 笑。

山本KID vs 魔裟斗よりもストーリー性は上ですよ。

しかもキックボクサー対MMAファイターではなく、キックボクサー対キックボクサー。

K-1対RISEの構図もある。

本当に面白かったし本当に凄かった。

 

ロスが凄いわ 笑。